中学受験において必要な科目は国語・算数・理科・社会の4科目。2教科や3教科入試の学校もありますが、基本的には4教科が必須条件です。

 勉強をする際には、「得意科目をつくる」ということがとても大切です。全ての科目が出来ることはもちろん、望ましいことですが、 この「得意科目」という存在は非常に大きいものとなります。

なぜ得意科目が必要なのでしょうか?これは、3年という長期戦における中学受験におけるモチベーション維持のため、と言えます。

 小学生には受験勉強だけでなく、学校の宿題があります。しかし、小学生の負担はこの課題だけではありません。精神的・身体的にも大人に比べてまだまだ未熟な時期、小学生には新しいものに触れる機会が実にたくさんあります。毎日がわくわくで、どんどん新しいものを吸収していくでしょう。一日の中で、印象深い出来事が多すぎるのです。

 しかし、これは悪いことではありません。様々なものに触れ、考えることは、むしろ勉強よりも大事なことです。野球やサッカー、ピアノ、バレエ等、より興味のあるものもでてくるかもしれません。

 このような状況下、子どもの中でだんだんと「勉強」に対する自己内のランクが下がっていきます。「親や先生が褒めてくれるため、一生懸命勉強をしてきた。でも、今はもっと夢中になれることが見つかった」。繰り返しになりますが、これは悪いことではなく、勉強だけが全てではないと思います。

 しかし、これがより深まるとだんだんと勉強から遠ざかっていきます。すると、今までは能動的に行っていた学習が、少しずつ受動的になっていきます。つまり、「やる勉強」から「やらされる勉強」に変わっていってしまいます

 「やる」のと「やらされる」ことには勉強の効果に大きな違いが生じます。言うまでもなく、後者の場合、格段にその効果は落ちてしまいます。

 効果が落ちる→点数が落ちる→自信をなくす→やる気をなくす→…

このような負のスパイラルに陥ってしまい、結果、志望校に合格できなくなる可能性が出てきてしまいます。

 こうした負のスパイラルにしないために必要なのが、「得意科目」の存在です。勉強に身が入らないとき、何となく気持ちが入らないときは誰にでもあります。ですから、これを叱るのはナンセンスです。

 こういう気持ちの時こそやるべきが得意科目です。得意科目なら、苦手科目よりやる気が出ます。もちろん苦手科目も勉強しなければなりませんが、だらだらと集中もせず苦手な教科を勉強するより、得意科目にその時間を当て、やる気は復活した時に苦手科目を勉強するということになります。

 そして、この得意科目にすべきなのが「社会」です。では、なぜ国語でも算数でも理科でもない社会なのでしょうか?

 まず国語から。国語は漢字や知識の問題と文章題に大別されます。どんなに得意な子でも出題された文章との相性が悪いとガクンと点数が落ちてしまい、点数が安定しません。また、国語力は目に見えないものなので、自分の力がどの程度のものなのかが分かりかねるという問題があります。

 続いて算数ですが、受験において最も苦労するのが算数。これを得意としている子は、まず合格できますので、心配はほとんどありません。算数にも暗記という要素は大きいため、算数ができる=暗記能力がある=理科や社会もできるということになります。「算数はできるけど暗記が苦手」という子がたまにいますが、そもそも暗記ができなければ算数もできないので、これはただの勘違いか、単に理科や社会が嫌い、あるいは興味がないだけです。

 理科という科目は暗記に加えて算数の力や思考力が試されます。特に女の子は物理分野、化学分野を苦手とすることが多いため、おすすめできません。また、これは算数にも共通しますが、計算を間違えてしまうことがあります。計算ミスでも誤りは誤りですから、当然、テストではバツ。せっかくやり方は分かっていてもバツ、点数が下がります。計算さえ合っていれば普段と変わらない点数だったとしても、点数が下がったという事実に自信をなくしてしまい、上述のような負のスパイラルに陥る危険性がでてくるというわけです。

 これに対して社会は正しい理解と暗記で対応できる科目です。また、特に歴史においては「漫画を使って勉強できる」というメリットがあります。先のような、モチベーションが上がらないとき、歴史の漫画を読むだけで勉強になります。もちろん、漫画だけで勉強した気になってはなりませんが、一定の効果はあります。つまり、やる気がない時でも勉強することができる唯一の教科ということになります。

 もちろん、地理や歴史に興味がない子もいます(公民においては興味がある子はほとんどいません)。地理の場合、いろんな土地に行ったことある子は興味をもつ傾向にあり、そうでない子は興味を示しません(私も家族旅行にはあまり連れて行ってもらえなかったので地理は嫌いでした)。ですから、これから受験を考えている方は、出来る限りいろんな場所に連れて行ってあげてほしいです。

 歴史に関してはまずは漫画から入るのがいいでしょう。無理して買わなくても図書館に行けばいくらでもあるので、利用してみて欲しいです。特に女の子の場合、漫画は苦手という子もいますから、絶対的なものではありません。最近では歴史をテーマにしたドラマや映画、アニメもたくさんあるのでそうしたメディアを使うのも手です。

   (←参考図書)

 以上のように、社会を得意科目にすることにより、勉強時間を確保することができ、モチベーション維持にもつながります。まずは嫌いというイメージをなくし、苦手と考え、この苦手を克服していくことで、合格を勝ち取ってほしいです。 

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